げんこつ団『濁流サイダー』 (2017/12/2,12/3 下北沢・駅前劇場)

げんこつ団『濁流サイダー』
期間：2017/11/29(水)～12/3(日)
会場：駅前劇場(下北沢)
演出：一十口裏・植木早苗
出演：植木早苗、春原久子、大場靖子、河野美菜、池田玲子(10・Quatre)、望月文、津波恵、久保田琴乃、三明真実、皆戸麻衣(ナイロン100℃)、林佳代、古川万城子

スイートポップキャンディのすばるちゃんの「お友達」の三明真実(みはる・まさみ)さんが出演する舞台、げんこつ団『濁流サイダー』を観に下北沢の駅前劇場に。
12/2(土)昼公演と12/3(日)公演の２公演を観劇。げんこつ団の芝居は１度観ただけではわからない、２度観てもわからないこともあるので、最初から２回分のチケットを予約していました。

虚(もしくは妄)と実がせめぎあう世界。時として世界は虚(もしくは妄)に支配される。やっかいなのは、虚(もしくは妄)に支配されているからこそ、その世界が安泰に思えてしまうこと。
この世界を支配しているのは「お母さん」。夕飯の支度から掃除洗濯、ゴミ出しやご近所つきあいまでを超人的にこなす「お母さん」。その所業はまるで神から与えられた恩恵のように当たり前のようで、実はそれこそが虚(もしくは妄)である。
新婚さんが幸せそうなのも虚(もしくは妄)で「実はそれほどでもない」というのが実である、ということが暴かれた時、この社会はパニックに陥る。

げんこつ団の芝居を観るのは4年連続で、以前に比べると、そのシュールさやブラックさにやっとついていけるようになってきたのかもしれない。以前の作品に比べると、「？」マークが消えない場面おそあれ、それでもスッキリと見終えることができた。

私がお気に入りなのはやっぱり三明真実さんの出演場面になってしまうが、可笑しな方向に向かっていく「火事場の馬鹿力」と「ドンに挨拶がない」の場面だ。あわよくば「火事場の馬鹿力」は２人がベストコンディションのときに観たかった気もする。後楽園ゆ･･･じゃなかった、東京ドームシティアトラクションズのドンの場面は思い出し笑いしそうでコワイ。

げんこつ団の芝居は何度観ても面白い。こういう気骨のある劇団、男前の女子たちを観るのは楽しい。千秋楽を迎えたばかりだが、来年秋の新作も今から楽しみで仕方ない。