涙目キューピー「よかったら、共倒れ?」(2015/04/17-19 阿佐ヶ谷シアターシャイン)続
涙目キューピー第三回公演シリーズ女の場末力「よかったら、共倒れ?」
期間:2015/04/17(金)~19(日)
会場:シアターシャイン(阿佐ヶ谷)
演出:都上々
出演:塩谷麻美、三明真実、丹野薫、藤田彩子、鏑木雄大、荻窪えき
(前の記事からの続き)
さて、三明真実(みはるまさみ)さんである。
彼女の芝居を観るたび、三明真実さんって恐ろしい娘だなあ、という想いが上塗りされていくような気がします。
冒頭の登場シーン。彼女が初めて言葉を発した瞬間から、彼女の演じるドレミと萩窪えきさん演じる聡子との関係性が見えてきました。冒頭の場面は衝撃的な場面ではあったけれども、私が魅かれたのは暗転する直前のコンマ何秒かの彼女の芝居で、その一瞬を観ただけで、ドレミにとって聡子がどれだけかけがえのない存在なのかがわかってしまう。そして、舞台が暗転しても、その想いだけが舞台の上に残る。もともと三明真実さんを目当てにこの芝居を観に行ってはいるんだけど、もうこの一瞬から彼女から目が離せなくなってしまう。
そして、これまで三明真実さんの出演する芝居を何度か観させていただきましたが、今回ほど、彼女の「女性としての」魅力に目と心を奪われた芝居はありませんでした。脆くて崩れそうなドレミという女性の儚さ、そして、それでも自分にとって聡子こそがかけがえなのない存在であるという想いから生まれる強さ。もし彼女の方が「大切なひとを看取る」状況におかれても、彼女だったら「孤独」とちゃんと向き合えたかもしれない。今回ほど、彼女の演じる役の女性が愛おしいと思ったことはありませんでした。
前の記事で、「暴力」によって自分が紡いできた物語を終わらせる作家の作風を批判した私ですが、それでも、この芝居の一番の狂気は、ドレミが聡子を犯す、まさにその場面だと認めざるをえません。この場面のドレミの狂気が今も目に心に焼き付いて離れません。こういう展開が一番嫌いなくせに、それを最も強く印象づける三明真実の演技。これは罪です、犯罪です(笑)。それゆえに、前の記事のようなだらだらとした文章をかくはめになってしまったのですから。
なんだか、不思議だなあ、と思います。風間惠理さんがスイートポップキャンディに入らなければ、私はすばるちゃんと出会わなかったわけだし、三明真実さんの出演する芝居を観に行くこともなかっただろう。阿佐ヶ谷のシアターシャインに芝居を観に行くことも永遠になかっただろう。
期間:2015/04/17(金)~19(日)
会場:シアターシャイン(阿佐ヶ谷)
演出:都上々
出演:塩谷麻美、三明真実、丹野薫、藤田彩子、鏑木雄大、荻窪えき
(前の記事からの続き)
さて、三明真実(みはるまさみ)さんである。
彼女の芝居を観るたび、三明真実さんって恐ろしい娘だなあ、という想いが上塗りされていくような気がします。
冒頭の登場シーン。彼女が初めて言葉を発した瞬間から、彼女の演じるドレミと萩窪えきさん演じる聡子との関係性が見えてきました。冒頭の場面は衝撃的な場面ではあったけれども、私が魅かれたのは暗転する直前のコンマ何秒かの彼女の芝居で、その一瞬を観ただけで、ドレミにとって聡子がどれだけかけがえのない存在なのかがわかってしまう。そして、舞台が暗転しても、その想いだけが舞台の上に残る。もともと三明真実さんを目当てにこの芝居を観に行ってはいるんだけど、もうこの一瞬から彼女から目が離せなくなってしまう。
そして、これまで三明真実さんの出演する芝居を何度か観させていただきましたが、今回ほど、彼女の「女性としての」魅力に目と心を奪われた芝居はありませんでした。脆くて崩れそうなドレミという女性の儚さ、そして、それでも自分にとって聡子こそがかけがえなのない存在であるという想いから生まれる強さ。もし彼女の方が「大切なひとを看取る」状況におかれても、彼女だったら「孤独」とちゃんと向き合えたかもしれない。今回ほど、彼女の演じる役の女性が愛おしいと思ったことはありませんでした。
前の記事で、「暴力」によって自分が紡いできた物語を終わらせる作家の作風を批判した私ですが、それでも、この芝居の一番の狂気は、ドレミが聡子を犯す、まさにその場面だと認めざるをえません。この場面のドレミの狂気が今も目に心に焼き付いて離れません。こういう展開が一番嫌いなくせに、それを最も強く印象づける三明真実の演技。これは罪です、犯罪です(笑)。それゆえに、前の記事のようなだらだらとした文章をかくはめになってしまったのですから。
なんだか、不思議だなあ、と思います。風間惠理さんがスイートポップキャンディに入らなければ、私はすばるちゃんと出会わなかったわけだし、三明真実さんの出演する芝居を観に行くこともなかっただろう。阿佐ヶ谷のシアターシャインに芝居を観に行くことも永遠になかっただろう。
でも、それよりもっと前に観た芝居に彼女は出演していたんですよね、しかも2作も。やっぱり不思議だなあ。ひととひととは出会うべき時に出会うべくして出会うんだろう、たぶん、きっと。
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