NODA・MAP『エッグ』 昭和という闇を歴史の彼方に置き去りにするな(ということらしい)。
NODA・MAP『エッグ』
2012年9月5日(水)~10月28日(日)
東京芸術劇場 プレイハウス
演出: 野田秀樹
出演: 妻夫木聡、深津絵里、仲村トオル、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、野田秀樹、橋爪功
改装した東京芸術劇場のこけら落とし公演。以前は「中ホール」と言っていた劇場が「プレイハウス」と名を変えて、綺麗に生まれ変わっていました。
「エッグ」という謎のスポーツのルーキー選手・阿倍を妻夫木聡、ベテラン選手・粒来を仲村トオル、国民的歌手・苺イチエを深津絵里が演じ、彼らが、時空を遡って物語は展開していく。キーとなる数字は、7・3・1。7・3・1を永久欠番にするな、昭和という闇を歴史の彼方に追いやるな、置き去りにするな(ということらしい)。
野田秀樹は自分の劇のテーマについてあまり語って欲しくないようなので、野田秀樹が語ってほしい小道具の話をします。
この劇を回す小道具は、「ロッカー」と「カーテン」。この芝居では、「ロッカー」が動きまわったり、「ロッカー」から人が出入りします。2階席からだと人の動きがわかることもありますが、1階席からだと、いつの間にロッカーに人が入っていたのだろう、もしくはロッカーにいるはずの人がいなくなったのだろう、と煙に巻かれた印象を与えると思います。そして、ロッカーは何かを隠す場所、何かを閉じ込める場所、そして、棺桶にもなります。「カーテン」もまた、いたはずの人を消えさせたり、いないはずの人を登場させる小道具として芝居を回します。そして、カーテンという小道具もまた、光を遮り、何かを隠すものでもあります。
つまりは、小道具がテーマを語る、ということなのでしょう。
しかし、私は芝居を創るのは小道具ではなく、役者だと思います。小道具だけが動いている芝居を観てみたいか。それはそれで面白そうではありますが、演じる役者がいるからこその演劇ではないでしょうか。
この芝居を観終わった後、「ロッカーが動き回って面白かったね」と感想を真っ先に言うよりは、「フカツちゃん、可憐だったね。歌も素敵だったね」と一緒に観た親しいひとと語り合いながら劇場を後にした方が、演劇って面白いな、また観たいな、という想いに繋がるのではないでしょうか。
↓本公演のCD付パンフレットはアマゾンさんでも買えます。フカツちゃんが歌う椎名林檎の曲。必聴。
2012年9月5日(水)~10月28日(日)
東京芸術劇場 プレイハウス
演出: 野田秀樹
出演: 妻夫木聡、深津絵里、仲村トオル、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、野田秀樹、橋爪功
改装した東京芸術劇場のこけら落とし公演。以前は「中ホール」と言っていた劇場が「プレイハウス」と名を変えて、綺麗に生まれ変わっていました。
「エッグ」という謎のスポーツのルーキー選手・阿倍を妻夫木聡、ベテラン選手・粒来を仲村トオル、国民的歌手・苺イチエを深津絵里が演じ、彼らが、時空を遡って物語は展開していく。キーとなる数字は、7・3・1。7・3・1を永久欠番にするな、昭和という闇を歴史の彼方に追いやるな、置き去りにするな(ということらしい)。
野田秀樹は自分の劇のテーマについてあまり語って欲しくないようなので、野田秀樹が語ってほしい小道具の話をします。
この劇を回す小道具は、「ロッカー」と「カーテン」。この芝居では、「ロッカー」が動きまわったり、「ロッカー」から人が出入りします。2階席からだと人の動きがわかることもありますが、1階席からだと、いつの間にロッカーに人が入っていたのだろう、もしくはロッカーにいるはずの人がいなくなったのだろう、と煙に巻かれた印象を与えると思います。そして、ロッカーは何かを隠す場所、何かを閉じ込める場所、そして、棺桶にもなります。「カーテン」もまた、いたはずの人を消えさせたり、いないはずの人を登場させる小道具として芝居を回します。そして、カーテンという小道具もまた、光を遮り、何かを隠すものでもあります。
つまりは、小道具がテーマを語る、ということなのでしょう。
しかし、私は芝居を創るのは小道具ではなく、役者だと思います。小道具だけが動いている芝居を観てみたいか。それはそれで面白そうではありますが、演じる役者がいるからこその演劇ではないでしょうか。
この芝居を観終わった後、「ロッカーが動き回って面白かったね」と感想を真っ先に言うよりは、「フカツちゃん、可憐だったね。歌も素敵だったね」と一緒に観た親しいひとと語り合いながら劇場を後にした方が、演劇って面白いな、また観たいな、という想いに繋がるのではないでしょうか。
↓本公演のCD付パンフレットはアマゾンさんでも買えます。フカツちゃんが歌う椎名林檎の曲。必聴。
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